2021年1月 東京・大阪地区百貨店売上高
売上げ3割超のマイナス、入店客数はほぼ半減
東京地区百貨店(12社・25店)の1月売上高は856億円余で、前年比(店舗調整後)は33.8%減となり、前月(15.9%減)より17.9ポイントもダウンし、16カ月連続減となった。緊急事態宣言再発令による営業時間の短縮や、免税売上高の大幅減が継続した影響(前年の春節は1月25日~)で、入店客数の減少幅が前月(35.6%減)よりさらに広がり、ほぼ半減の49.2%減となった。
3カ月移動平均値は、5~7月40.1%減、6~8月27.0%減、7~9月30.8%減、8~10月24.3%減、9~11月20.5%減、10~12月13.7%減、11~1月21.7%減。昨年12月に10%台まで回復してきたものの、再び2割台のマイナスに戻った。
売上高のうち店頭(構成比88.6%減)が36.5%減となり、前月(16.9%減)よりも19.6ポイントもダウン。対して非店頭は1.0%減にとどめ、前月(5.6%減)よりもさらに改善した。主要5品目は全てマイナス。中でも衣料品(45.8%減)と身のまわり品(37.9%減)のマイナス幅が目立つ。衣料品は16カ月連続減で、クリアランスの前倒しや分散開催、在宅勤務の普及によるビジネス需要の縮小、成人式などのオケージョン需要の減退によって苦戦した。
対照的に株高を背景に国内富裕層の需要は堅調で、ラグジュアリーブランド、時計や宝飾品などの売れ行きが良く、加えて巣ごもり需要の増加を背景に家電が好調で、前月の伸長率(58.6%増)をさらに上回る94.5%増とほぼ倍増した。
入店客数の半減は食品への影響は大きく、特に菓子(30.6%減)と惣菜(27.3%減)のマイナスが目立った。来店できない顧客ニーズに対応するため、オンラインショッピングや電話受注など非対面サービスを強化し、バレンタイン商戦などで効果を発揮したものの、全体を押し上げるまでには至らなかった。