2020年11月 東京・大阪地区百貨店売上高
第3波の影響大きく、マイナス幅広がる
東京地区百貨店(12社・25店)の11月売上高は1169億円余で、前年比(店舗調整後)は17.8%減となり、回復基調だった前月(4.3%減)から再びマイナス幅が広がり、14カ月連続減だった。前月に「Go Toトラベルキャンペーン」東京解禁もあり、復調してきていた入店客数(先月28.8%減)が、新型コロナウイルス感染者数拡大の影響が大きく、再び35.3%減となり、9月の水準(37.7%減)まで下がった。前月にオンラインや電話受注など非接触型の販売や外商顧客による高額品需要が好調でプラス(12.6%増)だった非店頭(売上高構成比8.4%)も31.1%減を強いられた。
3カ月移動平均値は、3~5月59.6%減、4~6月56.1%減、5~7月40.1%減、6~8月27.0%減、7~9月30.8%減、8~10月24.3%減、9~11月20.5%減。10月に4%台の減少率まで戻したことで、マイナス幅が改善されてきた。
入店客数の大幅減の影響で主要5品目は全て二桁以上のマイナス。前月に11カ月ぶりにプラス(21.6%増)だった家庭用品も10%台のマイナス。ただイエナカ需要の高まりによって他の品目に比べマイナス幅は小幅だ。食品も比較的健闘した。帰省の代わりに歳暮を遠方の家族や親戚に贈る「帰省暮」、クリスマスケーキ、おせち、EC受注が好調で、さらにワインや和洋酒、ブランド牛などのプチ贅沢を楽しむ高額な食品も堅調だった。ただ、手土産ニーズの減少によって菓子が苦戦した。
また先月に13カ月ぶりにプラスだった雑貨をけん引した美術・宝飾・貴金属(先月55.2%増)は、株高を背景とした国内富裕層の需要が底堅く、前月に続きプラス(0.2%増)だった。対照的に衣料品は引き続きビジネス関連の不振とブランド撤退の影響が大きく、中でも主力の婦人服(29.2%減)と紳士服(24.4%減)のマイナスが目立ち、共に14カ月連続減を強いられている。