花王、Z世代の男性向け化粧品ブランド

2022/12/16 10:30 am

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花王は1日、Z世代の男性の肌の特徴や悩みにフォーカスするブランド「UNLICS(アンリクス)」を立ち上げた。同日に化粧下地と化粧水を発売し、来年1月12日には乳液兼美容液、化粧水などをなじみやすくするタオル状のマスクを加える。まずはスキンケアとベースメイクを定着させ、いずれはポイントメイクなどに品揃えを拡充。美意識が高く、日常的に化粧品を使うZ世代の男性を取り込み、将来的には50億円の売上げを目指す。

アンリクスには、花王の男性社員の想いが込められている。「トイレで化粧を直していると、鏡越しに視線を感じることがある。メイクで美しくキレイな肌をつくるのは、服を選んだり、髪型を変えたりするのと同じではないか」。男性が周囲の目を気にせず、欲望のままに美を追求できるように「HUNGRY FOR BEAUTY.」をブランドのスローガンに定めた。

商品の開発に当たっては、男性の肌を徹底的に研究。「浄(みがく)」(=皮脂を取り過ぎず、不要な角質や毛穴の汚れを落とす)、「柔(ほぐす)」(=肌を柔らかくする)、「潤(うるおす)」(=肌に水分をしっかり与える)、「満(みたす)」(=肌の乾燥を防ぎ、悩みに合わせてケアする)の4ステップからなるスキンケアで潤った柔らかい肌に整え、5ステップ目の「魅(みせる)」(=赤暗く見えがちな肌を色でコントロール、肌をキレイに魅せる)で「キメ細かで透明感があり、クールな印象の『繊冷肌』」(同社)へと導く。

容器のデザインもこだわった。コンセプトは「LEAD THE DESIRE」で、欲望の向かう先を意味する三角形をベースに、フラットでクールな面と柔らかな曲線は「アンリクスがもたらす男性の美肌を印象付けた」(同社)。メインカラーは白で、「何色にでも染まれる美への飽くなき好奇心」を表す。

商品はインターネット通販サイトで扱う。目下、化粧下地の「インプレスカラーウェア」と化粧水の「アクアハグウォーター」を展開中だ。インプレスカラーウェアは、自分の肌の色に合わせるのではなく、肌に色や質感を加え、好みの印象に仕上げる。「アップグレードブルー」、「バーサトルベージュ」、「タッチアップグリーン」、「フォギーオレンジ」の4種類で、価格は3080円。アクアハグウォーターは、角層全体を優しく包み込み、潤いを巡らせて、みずみずしく透明感のある柔らかい肌を演出する。

1月12日には、乳液兼美容液の「セラム me」とタオル状マスクの「ホグフォグマスク」を追加。セラム meは「乳液と美容液の充実感を兼ね備えたハイブリッド設計とアロマ精油の配合で、肌に本気で向き合うミルクセラム」(同社)だ。5種類で価格は3850円。ホグフォグマスクは、顔全体を蒸気で包み、化粧水などをなじみやすくし、肌を柔らかくほぐす。価格は2750円。

品揃えは段階的に20SKUまで増やし、うち4割をスキンケア、6割をベースメイクで構成する計画だ。

アンリクスの開発やプロモーションには、インフルエンサーの車谷セナ、USUKE、翔貴の3人を「ブランドパートナー」に起用。商品のクオリティと認知度を高める。販促の一環として、12月1日に「UNLICS BEAUTY DIG-TIONARY」を開設。メイクの方法を学べたり、見本と同じメイクをスマートフォン上の自分の顔で試せたり、様々なコンテンツを提供する。

今後は国内だけでなく、中国を中心とするアジアでも販売。中長期的な売上げ目標は50億円とした。

(野間智朗)

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