メリーチョコレート、秋冬ギフトはカジュアル路線のパーソナルギフトを前面に

2022/11/11 12:00 am

メリーチョコレートカムパニーは今秋冬のギフト商戦で、「ファンシーチョコレート」と「ミルフィーユ」を主軸に据える。ロングセラーのファンシーチョコレートは昨秋にリニューアルし、今年9月に人気投票を行うなど、継続的にテコ入れをしている。ミルフィーユは今秋に、パッケージの刷新やオフィスサンプリングを実施し、新客との接点拡大を図る。どちらも“親しみやすさ”を訴求し、フォーマルな贈答シーンだけでなく、カジュアルなパーソナルギフトや自分用のニーズも狙う。

今季、この2商品に絞ったのには理由がある。同社は高級路線の商品も多く擁するが、売上げやデータを見直したところ、カジュアル路線の支持が高いことが判明。中でも「ファンシーチョコレート」、「ミルフィーユ」、「サヴール ド メリー」の売上げが上昇傾向にあった。そのため、まずはこの2商品の販売促進策を強化し、認知度を高める。サヴール ド メリーも今後注力していく方針だ。

「ファンシーチョコレート」のパッケージはチェック柄を取り入れ、親しみやすさを演出する

「ファンシーチョコレート」は昨年にリニューアルを実施。同商品の利用シーンを調査したところ、ギフトだけでなく、想定以上に自家用の購入が多かったという。それを踏まえ、「30~40代の女性で今までメリーチョコレートにあまり接触してこなかった層が、家庭でのちょっとしたご褒美に購入する」用途を狙い、様々な工夫を凝らした。

チョコレートの種類は「マロン」、「クッキー&クリーム」、「ミルクティー」など5つを加え、全16種類となった。ギフトと自家需要の両方に応えるため、パッケージも刷新。同社のロングセラー商品「チョコレートミックス」で馴染みのあるチェックを取り入れ、ギフトらしさと親しみやすさを両立させた。

生まれ変わった新生・ファンシーチョコレートをさらに盛り上げるため、今年9月には「ファンシーチョコレート総選挙」を実施。アソートメントではあるが、一粒ずつの特徴を伝えることで自分の好きなチョコについて改めて考えてもらい、同時に好きなチョコ以外の魅力を知ってもらうことを意図した。1日~30日に特設サイトで行ったところ、多くの票が集まった。「想定以上の投票数で、ファンの皆様に楽しんで頂くことができた」とマーケティング本部広報宣伝部の小林香部長は話す。

「ミルフィーユ」はカカオ豆やいちごなどのイラストを入れたパッケージに変更。オフィスサンプリングなども行い、新客獲得を図る

「ミルフィーユ」は近年人気が高まっている商品で、今まで秋冬限定だったのを今年は通年販売にしたほど。「チョコレート」、「ストロベリー」、「アーモンド」の3種類を揃え、コーティングや中身にチョコレートを用いている。チョコレートのおいしさや、1つで満足できるボリューム感から支持を得ている。

さらなる拡販を目指し、9月にパッケージをリニューアル。箱や個包装に、フレーバーのカカオ豆やいちご、アーモンドのイラストを入れた。同商品をパーソナルギフトや自分用に購入する客が多かったことから、ポップで親しみやすいデザインへと変えた。

リニューアルと合わせて、オフィスサンプリングや百貨店でのキャンペーンも始め、積極的に新客へアプローチしている。「そこで商品を知って店頭へ買いに来るお客様もいらっしゃる」(小林氏)など、かなりの好感触を得ている。

明るい赤を基調とした新たなビジュアルのショップでは、遊び心あふれる商品を揃える

同社の“親しみやすさ”を打ち出す路線は、ショップのビジュアルやコンセプトにも及んでいる。従来は落ち着いたシックな店装で高級感を演出していたが、同社のロゴでもある明るい赤を基調とするビジュアルアイデンティティを打ち出した店舗を増やしている。商品は、食感の異なるチョコレートアソート、サクサクとろける新食感のトリュフチョコレート、パチパチはじけるキャンディが入ったチョコレートなど遊び心あふれるものを揃える。

9月30日にグランスタ東京にオープンした「グランスタ東京店」を旗艦店と位置付け、既存店舗のリニューアルなどによって、段階的に全国の百貨店へ広げる。「お店を訪ねて楽しくなるような要素をちりばめた。お菓子と出会うときのワクワク、ドキドキを提供していきたい」(小林氏)考えだ。

(都築いづみ)

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