メリーチョコレート、夏のギフト商戦は焼き菓子とクールデザートを主軸に
2022/06/29 12:00 am
メリーチョコレートカムパニーは、今夏のギフト商戦を焼菓子とクールデザートの二軸で攻める。クールデザートは夏の定番だが、気候に売れ行きが左右されるため、近年好調な焼菓子を拡充。ザクザクとした食感が特徴のクッキー「カカオサブレアソート」を発売し、今まで秋冬限定だった「ミルフィーユ」の販売を始めた。クールデザートでは、フルーツゼリー「国産果実の果樹園倶楽部」にシャインマスカット味を投入し、商品の鮮度を上げる。
同社が今夏、力を入れるのが焼菓子だ。「クールデザートは暑さに左右される部分が大きく、猛暑の年は早々に売り切れるが、冷夏は苦戦しがちだ。個包装で配りやすいというメリットもあり、ここ数年で焼菓子の売上げが伸びている。通年販売で主力商品を定着させたいという意図もあり、夏季に焼菓子の販売を強化した」とマーケティング本部広報宣伝部部長の小林香氏は説明する。
6月1日に発売した「カカオサブレアソート」は、チョコチップやナッツのザクザクとした食感と、芳醇な味わいが特徴のクッキー。バターとホワイトチョコレートにほんのりレモンを効かせた「ホワイトチョコレートチップ&バター」、ほろ苦いカカオ生地と食感の良い有機カカオニブを組み合わせた「ビターチョコレートチップ&カカオニブ」、香ばしいピスタチオが特徴の「スイートチョコレートチップ&ピスタチオ」の3種類を揃える。
チョコレートチップやカカオニブを採用し、チョコレートメーカーならではの〝本格派〟な味に仕上げている。発売以降、売れ行きは好調。中でも、ほろ苦さがあり夏でも食べやすい「ビターチョコレートチップ&カカオニブ」が人気だという。
さらに焼菓子を拡販するため、「ミルフィーユ」を初めて夏期に販売する。サクサクとしたパイにクリームを挟み、チョコレートでコーティングしたミルフィーユで、チョコレートをおいしく食べるため、パイの食感とサンドするクリームの配合にこだわった。
ほろ苦いスイートチョコレートとカカオの香りが豊かなチョコレートクリームの「チョコレート」、香ばしいアーモンドジャンドゥヤクリームをサンドした「アーモンド」、ホワイトチョコレートとストロベリーの甘酸っぱさが絶妙な「ストロベリー」の3種類を詰め合わせる。さらに夏限定で、瀬戸内レモンの爽やかな酸味が広がる「ミルフィーユ(瀬戸内レモン)」を発売した。
ミルフィーユは、同社の中でも売上げが伸びている商品だ。一般的にコーティング用のチョコレートは、普通のチョコレートよりも味が薄かったり、カカオの香りが感じられなかったりする。しかし、「当商品はチョコレートを主役に考えてつくっており、しっかりとチョコレートの味や香りを楽しめる」(小林氏)。これを販売することで、夏ギフトの底上げを図る。
クールデザートでは、ロングセラー商品「国産果実の果樹園倶楽部」で新フレーバー「シャインマスカット」を4月に発売した。国産果実の果樹園倶楽部は、果実のごろっとした食べ応えと繊細な味わいが特徴で、柔らかくなめらかな口どけを楽しめる。単品が270円で、セットは6個入(1620円)、8個入(2160円)、12個入(3240円)、16個入(4320円)、20個入(5400円)を展開。シャインマスカットは果実が粒ごと入り、優雅な香りとジューシーな食感を体感できる。
シャインマスカットは単品の販売に加え、12個入、16個入、20個入の詰合せに入る。これは購入単価を高める狙いがあった。「帰省の手土産やちょっとした贈り物として2000円台のものがよく選ばれている。高単価な商品の動きをよくするため、3000円以上のセットに入れた」(小林氏)。発売以降は単品も含めて売れ行きがよく、狙い通り単価は上昇している。
同じくクールデザートの「デザートコレクション」は、国産果実の果樹園倶楽部、果実を濃縮した「フルーティーワン」、さっぱりとした味わいの「国産果汁ゼリー」、口どけのよいまろやかな「北海道カスタードプディング」の詰め合わせ。これらを打ち出し、夏のクールデザート需要に応える。
最近は人の動きが活発になり、手土産需要が高まるなど同社にとっては追い風も吹いている。メリーチョコレートカムパニーは幅広い品揃えで様々な好み、需要に対応し、安定した売上げの確保を目指す。