ワールド、医療用ガウンとマスクの生産開始
2020/05/15 7:00 am
ワールドは、医療物資などの深刻な不足が続いている現状を踏まえ、医療用ガウンとマスクの生産を開始する。ファッション企業としてのリソースを最大限に活用する。医療用ガウンは9月末までに150万枚を生産し、日本政府への納品を優先した後、自治体などへの販売も行う。マスクは3種類を用意し、5月中旬からワールドの会員や一般向けに予約販売を順次始める。
医療用ガウンは、感染症防護として幅広く利用でき、主に手術以外の施術や簡易な処理、面会者や患者等に使用される、アイソレーションガウンを生産する。不織布撥水素材を使用し、コストと性能に優れる。ワールドグループの生産、調達プラットフォームを担うワールドプロダクションパートナーズが主導し、国内6カ所の自社工場を中心に行う。
また、マスク不足の解消に対応するため、3種のマスクの供給を準備する。社内で企画開発し、国内の自社工場で生産する「洗える抗ウイルスマスク」(大人、キッズ、幼児用の3種)は、倉敷紡績の抗菌・抗ウイルス機能繊維加工技術「クレンゼ」を施した素材を採用した。繊維上の特定のウイルスの数を99%減少させ、特定の細菌の増殖を抑制。家庭で50回洗濯しても効果が持続する。口に触れる部分にはあえて機能加工を施さず、安全性にも配慮。インナーマスクとしても使用できる。7月までに30万枚を供給予定。
スウェーデンのポリジン社が開発した抗菌防臭加工技術「ポリジン」を活用した「ポリジンマスク」(大人、キッズ用の2種)は、洗濯を繰り返しても長期に亘り効果が持続する。「サージカルマスク」(大人用1種)は、三層・立体構造の不織布マスク。細菌ろ過効率95%以上、微粒子ろ過効率90%以上と高い効果を発揮し、細菌飛沫を防止する。7月までにポリジンマスクは10万枚、サージカルマスクは1500万枚を生産する。
マスクは5月中旬を目途に、同社のポイントサービス「ワールドプレミアムクラブ」会員を対象に販売の案内を開始する。その後、十分な生産準備が整い次第、直営のオンラインストアを通じて一般客に向けた予約販売、さらに一般企業、官公庁向けの販売を予定する。
同社は「企業の社会的責任を果たすため、これからも私たちができることに取り組んでまいりたいと考えています」とコメントした。