着け心地快適な国産布マスクを発売 エクセルナワチ
2020/05/05 2:18 pm
広島県福山市の衣類製造業「エクセルナワチ」が国産布マスク「4C MASK」の製造に乗り出した。商品名の4Cは「Comfortable(快適性)、Care Easy(手入れが簡単)、Cut UV・Cooling(紫外線・太陽熱を防ぐ)、Container Silver(銀配合で抗菌・防臭)」からネーミングした。肌ざわりと通気性の良い生地を使用しており、夏も快適に使用できる。また市場にはラインナップの少ない幼児用を先ごろ追加した。
エクセルナワチは、通常、百貨店で販売する婦人服を製造する縫製工場だ。しかし「新型コロナウイルスの営業を受け、5月の仕事量は例年の約20%になる見込み」(エクセルナワチ総務部長縄稚耕一氏)。そこで取り組み始めたのがマスク製造だ。普段はメーカーからの受注を請け負っているエクセルナワチにとっては、創業後初めての挑戦となる。パターンから自社で担当、20回以上試作を繰り返し、製品リリースを迎えた。
暑い夏でも快適につけられる特殊生地を採用
△クラレの機能性生地「スペースマスター-UV」を内側に使用している
マスクは二重仕立てになっている。外側はストレッチ性のある生地、内側はクラレが開発した特殊素材を使用した。この特殊素材がこのマスクの一つの大きな特徴で、銀が配合されているため、抗菌・防臭効果が期待できる。またUVカット機能、太陽熱を遮る機能も持っているため、これからの暑い季節にはピッタリだ。
親の目線から生まれた「幼児用サイズ」
△マスクを嫌がることが多い子供でも「着け心地が良いため嫌がらずにつけてくれる」という声も
サイズは大人用、子供用、幼児用の3種類を用意する。3~5歳向けの幼児用はもともと市場に少なく、新型コロナウイルスの影響でさらに品薄になっている。今回は子供がいる社員の発案で幼児用サイズの販売が決定した。「幼い子供を心配する親を少しでも安心させたい」(縄稚氏)という思いが込められている。
ベテランの技術を結集、顔にピッタリと密着
△ワイヤーは入っていないが顔に密着しているのが分かる。縫製技術の高さがここにも垣間見える
縫製は婦人服を担当しているベテラン社員たちで行う。創業58年のノウハウを活かした立体縫製で快適性を実現。耳が痛くなりにくい密着型マスクが完成した。特に肌に触れる内側の生地が特にデリケートなため、縫製には専用の針を使用。通常は行なっていない1日2回の針のチェックを取り入れるなど万全の体制をとる。その製造風景は国内生産のプライドがうかがえる。
販売はエクセルナワチのECサイトで行う。大人用は1枚1500円(税別)、子供用、幼児用は各1000円(税別)、送料は無料。小学生〜顔の小さな女性は子供用サイズ、3〜5歳は幼児サイズがおすすめだ。
エクセルナワチは通常は婦人用ボトムの縫製工場として、生地の裁断(自動裁断機使用)から縫製、仕上げまでを行う。43人体制で日産1500本のボトムを生産する。4月下旬にはボトム製造と並行し約90人体制で日産2000枚(グループ会社のアーバンナワチを含む)、5月には月産5万枚を目標にマスクを生産していく予定。