キリンと三井不動産、柏の葉スマートシティで「脳の健康」に関する実証実験を開始
2020/08/03 11:16 am
キリンホールディングス(以下キリン)と三井不動産は、千葉県柏市の柏の葉スマートシティの住民や通勤者を対象に、キリンの独自素材「熟成ホップエキス」を含むノンアルコール・ビールテイスト飲料を用いた脳の健康に関する実証研究を7月に開始した。幅広い年代を対象に、摂取後の気分状態や主観的認知機能を調査し、熟成ホップエキスの脳の健康への効果を検証する。
実証研究は柏の葉スマートシティの住民や通勤者を対象に、熟成ホップエキスを含むノンアルコール・ビールテイスト飲料を継続摂取する実証研究を行う。対象者を中高齢者に限定せず、20歳以上の柏の葉スマートシティの住民または通勤者の男女100名とする。期間は今年7月から12月。熟成ホップエキスを含むノンアルコール・ビールテイスト飲料350 ml缶を1日1本3週間摂取してもらい、気分状態や主観的認知機能を検査する。
熟成ホップエキスの有用性についてはキリンが独自に研究を行ってきた。2017年に、東京大学と共同で、ビール苦味成分であるホップ苦味酸がアルツハイマー病予防に効果があることを世界で初めて解明した。また、多様な食品に展開可能な苦味を抑えた独自素材の熟成ホップエキスを開発し、その中の成分である「熟成ホップ由来苦味酸」が脳腸相関の活性化により、認知機能改善および抑うつ改善効果を示すことを解明。今年6月には、順天堂大学医学部との共同研究で、物忘れの自覚症状がある中高齢者対象の臨床試験を行い、熟成ホップ由来苦味酸が認知機能や気分状態を改善することを確認した。近年、高齢者の認知症予防や認知機能改善に加え、幅広い年代でも記憶力や集中力、メンタルヘルスなどの維持・向上が注目されており、脳の健康への関心が高まっている。
三井不動産の柏の葉スマートシティプロジェクトは2005年に開始。柏の葉キャンパス駅を中心とする街づくりプロジェクトで、「環境共生」、「新産業創造」、「健康長寿」を主なテーマに掲げ、公・民・学がコラボレーションし、「課題解決のモデル都市」の実現に向けて実証実験を行うなど様々な取り組みを行う。今回の実証実験は、街づくりのテーマの1つである健康長寿に関連して、大きな社会課題となっている脳の健康への効果について期待し、実施する。