オンワード樫山、「UNFILO」で環境にも足にも優しいニットシューズ
2022/01/31 2:21 pm
オンワード樫山は28日に、「UNFILO」で環境に配慮した高機能サステナブルシューズライン「steppi by UNFILO」
同商品は、糸で編まれたニットシューズ。ニット素材は、柔らかな履き心地が特徴で、足にしなやかにフィットし、日々の動きをサポートする。パンプスは片足120g、およそ卵2個分の軽さで、足も疲れにくい。シンプルだが上品なデザインで、通勤はもちろん、旅行の際のセカンドユースなど、様々なオケージョンに合うように設計された。
初年度(23年2月期)はブランドのファンをつくるために、1万人に履いてもらうことを目指す。ニットシューズの開発・販売においては同社は後発となるが、価格と環境への配慮で差別化を狙う。第二カンパニーUNFILODiv.課長の山本洋輔氏は「ニットシューズは今までクローゼットに無かった商品。まだこれからの広がりに期待できる」と勝算を述べた。
糸には撥水加工を施し、少々の汚れなら、一拭きで済む。縫製のミシン糸も撥水加工してあり、糸やミシン穴からの水の侵入も防げる。また、汚れが気になってきたら、中敷きを外し、一緒に洗濯ネットに入れて、手洗いコースで洗うこともできる。
ニットシューズの素材には、サステナブルを意識し、使用済みペットボトルやプラスチック廃材をリサイクルしたポリエステルヤーンを使用した。アウトソールも中敷きにも、リサイクル素材を配合し、重さを左右するアウトソールには、発泡ラバーを使用した。
開発には、約2年の月日が掛かった。アパレルメーカーである同社にとって、初の商材となるニットシューズ、なおかつサステナブルな素材のものを制作するのは手探りの連続だった。しかし、毎日履きたくなる足を痛めないニットシューズと、昨今の消費者意識の高まるサステナブルを重要視した。第二カンパニーアイテム開発第三Div.の不破一貴氏は、「ファッション業界は、世界で2番目に環境に悪いと言われているが、その在り方を少しずつでも変えていきたい」と語る。
撥水加工には通常、フッ素化合物(PFC)を使用するが、環境や人体に深刻な影響を与える可能性があるため、PFCフリーとした。靴箱をなくし、ショッパーにも使えるオリジナルのシューズケース(別売り、880円)も制作し、物流面でも環境に配慮を欠かさない。
オンワードグループは、サステナブルな取り組みを以前から続けている。インティメイツは15年に自社他社問わず不要なブラジャーの回収を始め、昨年9月に女性下着業界で初めて米の籾殻由来の素材を使用した肌着を発売。KOKOBUYは昨年11月に全成分天然由来原料のメイクアイテムを発売した。オンワード樫山は21年にオンワード樫山の全てのブランドでプラスチック製ショッパーを廃止し、20年9月にはシャツ納品時のハンガーアップを行わないブランド「#Newans(ハッシュ ニュアンス)」も誕生した。納品の際には、「着る前に、一度『洗って』『干して』ほしいのです」と記した紙が添えられており、客にも好評だ。
「9990円という手に取りやすい価格から、サステナブルな取り組みに参画して欲しい。いずれは靴を引き取り、新たな靴に再生したい」とデザイナーの木下知都江氏はコメントした。環境にも足にも優しいニットシューズで、自分からできるサステナブルへの一歩を踏み出したい。
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