三陽商会「エコアルフ」渋谷に1号店

2020/03/27 1:16 pm

タグ: 三陽商会 

三陽商会は13日、スペイン発のサステナブルファッションブランド「ECOALF(エコアルフ)」のアジア初となる店舗を東京・渋谷にオープンした。エコアルフはリサイクル素材や環境負荷の低い素材で作られた衣服や雑貨を扱うブランドで、リサイクル素材はナイロンやコーヒー、ペットボトル、コットンなどの廃棄物を原料にしている。店舗は2フロア構成で、売場面積は約80坪。内装は木、鉄、石など持続可能な資材を中心に使用し、日本ならではの要素も取り入れた。今後は店内で定期的なイベントの開催も予定する。

 サステナブル重視 デザインや店舗に反映

 

三陽商会は昨年10月、ブランドを展開するエコアルフ リサイクルド ファブリックス(以下、エコアルフ社)と合弁会社「エコアルフ・ジャパン」を設立した。2020年度内に20店舗の開業、2025年度内に年間売上60億円を目標としている。

デザイン面でも持続性を重視し、トレンドに左右されない「タイムレス」をコンセプトの1つに掲げる。機能性も一般的な衣類と比べて遜色がない。特にリサイクル素材の一つである漁網は元より細くて軽く耐久性に優れているため、魚網を原料とした素材も同様の機能性を持つ。

ウィメンズ、メンズ、キッズ、シューズ、アクセサリー、ヨガの6つのカテゴリーで構成。衣服はアウターやボトムス、インナーまでフルラインアップで展開する。シューズはブランドの主力であるスニーカーをはじめ、サンダル、ビーチサンダルなどを揃える。

店舗に使われる資材は木、鉄、コンクリートなど持続可能な資源をベースとし、サステナビリティを体感できる空間にした。デザイン設計は坂巻陽平氏が担当。エコアルフは店舗にその都市の文化やアイデンティティーを取り入れており、同店舗も和のテイストを融合させた。土間を連想させる床や壁、巨大な岩石「伊達冠石」の什器、竹を加工したラックなど、日本の自然の資源を用いて店舗を構築した。

1階はメンズ、レディス、シューズ、シーズンアイテムなどを揃える。入口付近には、ブランドの思想を象徴するペットボトルタワーのインスタレーションを設置。近くの壁面にはブランドの象徴アイテムであるシューズを陳列し、商品の素材となるペットボトル、漁網などの廃材をイメージとして展示する。

2階はメンズのシーズンアイテムやレディスの一部、ヨガウェア、キッズなどを扱う。巨大スクリーンを設置し、今後実施を計画しているサステナブル講演やディスカッションを行うスペースとしての機能も持たせた。

環境に配慮したブランドとして、広告にも工夫を凝らした。9日~15日に渋谷駅で展開した開業の告知ポスターは、他企業の掲出済み広告や廃棄予定の未使用ポスターなどを、企画の趣旨に賛同した企業から回収し再利用した。

エコアルフ社の創業者であるハビエル・ゴジェネーチェ氏は「日本に開業できてとてもうれしい。商品を買ってもらうのが一番だが、まずは店に足を運んで、ブランドのメッセージを感じてほしい」と語った。

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